枯れ女の自由奔放ライフ

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劇場版ポケットモンスター「キミにきめた!」の感想。ネタバレなしで見どころを紹介する。

公開から約一ヶ月、劇場版ポケットモンスター「キミにきめた!」を鑑賞した。歴代のポケモン映画の中でも、かなり良い作品だったと思う。

せっかくなので、今作のこんなところが良いというのを紹介してみる。ネタバレは無いので、これから観たい人も安心してご覧いただきたい。

1.米村正二氏によるリリカル脚本

今年の映画の脚本は、仮面ライダーなどでお馴染みの米村正二氏が担当している。リリカルに定評のある米村脚本のせいか、ストーリーや演出が全体的に乙女チックだ。

これまでのポケモン映画は、バトルが多めだったりポケモンをたくさん出して見せることが多かった。が、今回は、キャラクター同士のつながりやポケモンとトレーナーとの絆が良く描かれていた。

そういった点や乙女的展開は、ポケモンをよく知らない親御さん世代でも楽しめるんじゃなかろうかと思う。大人も子供も楽しめるポケモン映画というのは、意外と貴重だ。

2.ちびっ子がいつもより静か

メインの客層がファミリー層のポケモン映画は、とにかく親子連れが騒がしい。毎年これは致し方ないことと諦めているが、今年は観客のチビっ子が例年に比べ静かで衝撃を受けた。

今年は本編だけで、ショートストーリーとの2本立てでは無い。そのため本編が2時間くらいになるはずだが、途中でチビっ子がグズったりトイレに立つということが無かった。

いつもよりも30分くらい長い上映でも、子供も親も最後まで飽きさせず映画を観せきる。これは、今年のストーリーがそれくらい面白かったから出来たことじゃないかと思う。

チビっ子でも面白い映画なら、ちゃんと観るのだ。この辺りは、他のチビっ子向け映画を作る人たちも是非とも参考にして頂きたきたいと思う。

3.サトシの母性が全開

リリカル脚本の影響か、普段よりサトシの母性が30%増しくらいになっていた気がする。あそこまで包容力のある10歳は、どこを探してもいまい。

どんなに邪険にされても、とにかく温かい笑顔でポケモンを守りきる。ピカチュウが早々にデレるワケである。

TV版のサトシは少年らしいのが良いが、少々頼りないところがある。今回の劇場版のサトシは、「コイツなら立派なポケモンマスターになれる」という感じがした。

4.「君の名は。」味がスゴい

ところどころ、「これって『君の名は。』じゃね?」という場面があった。

君の名前が思い出せなかったり気配は感じるんだけど姿が見えなかったり、その演出がまた乙女ストーリーと相まって良い効果を生んでいたと思う。

ついでに、「これってジブリじゃね?」というところもある。やはりリリカルと相性が良いからかもしれない。

5.初代ファン涙のストーリー

今年のストーリーは、初代ポケモンアニメの話をベースにしている。そのため、初代からのファンは「ウッ」と目頭を抑えたくなるシーンが満載だ。

さらに、ポケモンの第一話から長らく放ったらかしにされていた伏線がものの見事に回収されている。ずっと気になっていた人は一見の価値ありだ。

しかしオリジナルをベースにしながら、ちゃんと映画用の新しい要素と組み合わせてうまい具合に話が展開している。単なるリメイクでは無いので、逆に全くポケモンを知らない人でも楽しめる親切設計だ。

 

ポケモン映画は「限定ポケモンをもらうのがメイン」と思われがちだが、今年の映画は本当に良い。ここからポケモンの世界に入るというのも、ありじゃなかろうか。

8月も残り2週間あまりだが、夏の思い出にポケモン映画というのもたまには良いかもしれない。