スティンガー、暴走する。宇宙戦隊キュウレンジャー第20話の感想。
宇宙戦隊キュウレンジャー第20話「スティンガーVSスコルピオ」の感想です。
キュウレンジャーを抜け、一人でスコルピオの兄貴に戦いを挑むスティンガー。今回は命がけで立ち向かいます。
そして、スティンガーの覚悟を知って追いかけるレンジャー一同。果たしてスティンガーは仲間の元へ戻ってくるんでしょうか?
早速フラグを立てる
これ以上兄貴の暴走を見ていられないスティンガー。アルゴ星復活の鍵である2つのキュータマをエサに、単独でスコルピオに近づきバトルを仕掛けます。
そしてチャンプの大破壊以来、仲間の傷つきがトラウマと化したスティンガー。自分一人で全てを背負い込む道を選び、決死の覚悟で自らに毒を打ち込みました。
「これ以上、迷惑はかけられない!」
誰がどう見ても完璧なフラグです。この後の十数分の間に、スティンガーはどれだけのことをやらかすのか不安しかありません。
留守番役のバランス
兄弟が火花を散らす中、チキュウにも危機が迫ります。爆発の危機を防ぐためにレンジャー一同も現場へ向かうことになりますが、バランスは一人船の管理を任されることになりました。
一人は留守番をしていないとまた誰かの侵入を許す危険性があるので、この判断は妥当とも言えます。が、「今回はシリアス回だから我慢してね」という、スタッフの陰の思惑も感じざるを得ません。
皆がビシッと決めるところで業界用語が飛び出しても戸惑ってしまうので、致し方の無い措置なのでしょうか。むしろバランスのシリアス回も、一度は見てみたいところです。
地球人の抵抗
モライマーズの猛攻を受け、危機に立たされるチキュウ。慌てふためく庶民に、スコルピオは「キュウレンジャーを差し出せば助けてやる」と言い捨てます。
その言葉をマルっと信じ、キュウレンジャーに恨みを募らせるチキュウの庶民。姿を表した一同に、罵詈雑言を浴びせかけます。
「俺達じゃジャークマターには勝てない!」
「出て行け!」
ジャークマターに対する堂々たる不戦敗宣言からの、ゴミや石の一斉投擲。これがチキュウ庶民の精一杯の抵抗でした。
もし本気でキュウレンジャーを差し出す覚悟がある庶民がいたら、もっと罠にはめるなりの知恵が湧くと思います。人間、窮地に立たされたときが正念場です。
「チキュウ人として恥ずかしいよ……」
挙句、まだあどけなさの残る少年にまで恥じられてしまいました。確かに色々な意味での不甲斐なかったので、もうちょっと庶民には反省を促したいです。
司令の気遣い?
騒ぐ庶民を一喝し、ジャークマターとの戦いに向かう一同。司令・スパーダ・ハミイの3人は、巨大化した敵の方を引き受けます。
「こりゃタマらんねー」
ここに来て、唐突にダジャレを差し挟む司令。わざわざバランスを留守番させて保とうとしたムードを、ぶち壊しにしたいんでしょうか。
しかし視聴者としては、司令のダジャレよりも直後のチャンプの方に心が持っていかれました。チャンプの目が光った衝撃で、司令のセリフが頭から吹っ飛んだ人間は少なくないと思います。
スティンガーの心理とは
一方、ラッキーと小太郎はスコルピオの元へ。しかし2人の前に、兄貴の毒のせいで凶暴化したスティンガーが立ちはだかります。
「大好きな兄貴に戻って!」
何とかスティンガーを元に戻そうと奮闘する小太郎。レンジャーの変身が解けてしまっても、生身で凶暴スティンガーを止めにかかります。
しかし必死の小太郎にも、容赦なく尻尾攻撃を浴びせかけるスティンガー。全く正気に戻る気配がありません。
それでも食らいつく小太郎の懐から、持っていたチャンプのキュータマがこぼれ落ちました。
「チャンプ……」
それを見た途端、己を取り戻すスティンガー。あんなに小太郎が頑張ってもダメだったのに、なぜチャンプのキュータマにはそこまで反応を示すんでしょうか。
スティンガーはどちらかというと弟属性なので、弟分の小太郎より頼りがいのあるチャンプの方が気になるんでしょうか。なかなか難しいところです。
仲間が一緒なら強くなれる
しかしそのスキに小太郎は解毒剤を打ち込み、スティンガーは正気を取り戻しました。
今度は仲間たちと共に、スコルピオの兄貴に戦いを挑みます。
「(3対1で)決着をつけよう!」
一人ではダメでも、仲間がいれば強敵も倒せるはずです。どんなときでもチームワークを活かすのが、レンジャーの強みと言えます。
フラグの総括
ようやく仲間に頼ることを覚えたスティンガー。これまでの単独行動で、どんなことが巻き起こったのか振り返ってみます。
1.兄貴に負けて人質に取られる
2.スティンガーが盗んだキュータマを取り戻すため、ナーガが戦闘不能に
3.先週毒を打ち込まれたガルとラプターも未だ戦闘不能
4.人質から一転、仲間に襲いかかって窮地に立たせる
5.ラッキーにジャケットを持ってこさせる
6.変身の際、ラッキーからセンターの座を奪う
今週は大体、数分に1回くらいの割合で何がしかの問題を起こしていた気がします。なんでも一人で背負い込めば良いというものじゃありませんでした。
確かに「大丈夫です」と言う人ほど、大丈夫じゃなかったりします。頼るべきところではしっかり頼るのが、健全な組織の大事な条件です。
しっかり宣伝を
いつものおちゃらけたEDの後は、映画の宣伝です。ヘラクレスキュータマの力を借りて、ハミイがスティンガーを腕相撲でコテンパンに負かしました。
「劇場でゲットだ!」
宣伝しているラッキーの後ろで、一人放心しているスティンガーに哀愁を感じました。
兄貴のとのバトルも、ついに佳境へ。12人目の仲間の存在も気になります。そして、ようやく仲間と戦うことを学んだスティンガーの活躍に期待です。